オートグラフとは
「オートグラフ(Autograph)」という単語は,日本人には馴染みがないと思います.海外(アメリカ・イギリスなどの英語園)では,日本の「直筆サイン」のことをオートグラフと呼んでいます.
なぜ「サイン」ではないのか?
一般的に日本人が署名を求める際は,「サイン」をお願いしますよね?この「サイン」の英単語は,「Signature」になります.先ほど,「直筆サイン」の英単語が「Autograph」だと説明しているのに,「Signature」という単語が登場して混乱してしまいますね.
「Signature」という英単語は,手紙や書類などに署名する際に使用されています.一方,「Autograph」は有名人が,サイン本やサイン色紙などに署名する際に使用されています.
分かりやすく言い換えると,「Signature」は「本名」,「Autograph」は「芸名」を使って署名する違いがあります.
「Autograph」と「Signature」の2種類になった背景
なぜ海外では「Autograph」という単語を使って,有名人の直筆サインを特別扱いするのでしょうか?それは署名の文化に大きな違いが存在するからです.
日本
日本では重要な書類に署名する際,「押印・捺印」を行います.そうです!日本人は「印鑑・判子」を使って本人確認を行ってきました.
- 実印
- 銀行印
- 認印
海外(欧米)
ところが海外では,自分の名前に関しては自筆で記入するのが一般的です.デジタル化した現代でも,PDFに自筆の署名を埋め込む機能が存在するぐらいです.それほど,「自筆の署名」を重要視してきました.
そう考えると「Autograph」は「落款」に似ていませんか?書道や陶磁器などの日本の古美術品には,押印されたものが多いと思います.情報技術を用いて筆跡鑑定を行う現代とは異なり,アナログで行う印影判定は,当時最先端の偽造防止技術だったはずです.
このような署名文化の違いがあり,海外では有名人の直筆サインを「Autograph」として特別扱いしていると考えられます.
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